柔道畳復元プロジェクト 武道 嘉納治五郎
東京都 東京オリンピック パラリンピック招致本部
解説記事

      柔道畳復元 図解  拡大図はこちら。
嘉納柔道と地方に広がっていった柔道畳との違い。

嘉納柔道の畳表の材料
カヤツリグサ七島藺
 嘉納治五郎師範が研究した柔道畳の畳表原材料。(表面)

カヤツリグサ七島藺 イチトウイ
 伝統柔道畳の畳表(表面層)の原材料
 産地は大分県 素材はカヤツリグサ七島イという草

 現在、日本国内で11件の生産農家と絶滅寸前。

 茎は三角形しており、2つないし3つに裂いたものを織る。江戸時代〜明治初期は大分県産が主に関東地域で7割使用されていたが現在も同じ比率で一般家庭で琉球畳というネーミングとして使われている。農業試験場のデータによると藺草より5倍の耐久性があるとされている。摩擦に関しても藺草の約3倍以上の滑る方向と滑らない方向があり、耐久性は藺草の5倍あり特徴的である。嘉納柔道の畳では一般家庭用や地方の柔道畳と違い特殊に作られていたことから表面から見て違いがあることが判明した。127年前の柔道創設時代の柔道畳を復元。

嘉納柔道の畳床の材料
お米作り・稲藁
 嘉納治五郎師範が研究した柔道畳の畳床原材料。(芯材)
お米作り  伝統柔道畳の畳床(芯材)の原材料
 現座プロジェクトに取り組む地域は神奈川県・長野県

 お米から取れる稲藁を再利用したもの。

 日本の歴史上や弥生民族としての農耕民族から主食や煮炊き、寝床に敷くなど日本民族、アジア民族としての繋がりが強い素材。また、縄文式土器の模様にも使われてた。畳は天皇家の座として始まり、貴族、武将と権力の象徴、神聖な座として作られていた。現代まで日本独自であり日本各地に伝えらえている。嘉納柔道畳は民族性のある流れを継いでいた。

嘉納柔道の畳の糸の材料
おお麻糸 (武道畳)
嘉納治五郎師範が研究した柔道畳の畳縫う糸、畳表(ござ)の経糸の原材料。(糸材)
      

おお麻 神聖な素材 邪気を祓う
 伝統柔道畳の畳糸の原材料
 見つかった資料による限定された産地は長野県美麻村
 縫い糸は長野県鬼無里村 
 約40年前でなくなる。復元プロジェクトで再現に至る。
 
 
 神聖な畳、武道の畳とされる素材である。天照大神から繋がる素材であり、神社で木に紙やおお麻を巻いたもの(おおぬさ)を使い、穢れや邪気を祓うとされるおお麻と同じものである。仏教でもお盆に麻の茎で、仏様をお迎えする時に焚くこともある。嘉納柔道畳の素材は日本最高のおお麻の糸で嘉納柔道畳専用に作られ出荷されいたことが産地でも判明した。資料には美麻村のおお麻でなければならないとまで書かれていた。神聖な畳とする云われの一つである。
地方の柔道畳には美麻のおお麻糸は使われることがまったくなく代替製品の麻糸で作られていた。嘉納柔道畳とは一線を区するものであった。
武道の畳として嘉納師範が合気道関係者との交流から合気道でも武道の畳として使われていたことが判明。



財団法人 日本武道館
日本武道館は、1964年開催の東京オリンピックの会場の1つとして建設され、同年10月3日に落成。設計は山田守。法隆寺夢殿をモデルにした八角形の意匠である。大屋根の稜線は富士山をイメージしている。
東京オリンピックでは柔道会場として使用される。オリンピック史上初めて日本の武道である柔道が行われ、現在の化学柔道畳マットではなく、日本民族、農耕民族としての稲藁を芯材とし、日本職人によっておお麻糸で縫われていた柔道畳が使われている。その後のオリンピックでは化学柔道畳マットが使われている為、最初で最後の伝統柔道畳が世界へ紹介されていた。柔道畳復元プロジェクトではこの東京オリンピックの柔道畳も復元している。

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